どうあがいても、ビルメン。

「劣等感を楽しめ」

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校を卒業してすぐ、とある短期のイベントアルバイトに参加した。

それでなぜか俺がアルバイトのまとめ役みたいな立場になった。

 

1日目、イベント会場の最寄駅でアルバイト十数人をまとめて点呼し、イベント会場に向かうため先導して歩いた。

途中でイベント会場までの道がわからなくなり、あばばばはあたふたしてしまい、その時にみんなからの目が無能を見る目に変わってしまった。

 

ほんでイベントの設営をした。

口の悪い職人にこき使われるのが相当ストレスだったし、暑いし、ずっと立ちっぱなしで身体痛いし、職人から「ボルト渡してくれ」って言われてナット渡そうとしてキレられた。

そして3時間ほど作業し小休憩の時間になった。

すると、職人のまとめ役っぽい細身のジジイ、されど威圧感のあるジジイが俺に話しかけてきた。

「よぉ、君は大学生か?」

俺「ろ、浪人です…w」

大学浪人ではなく公務員試験浪人だったが。

このとき完全に空気が変わった。主に他のアルバイトの。

「そうかそうか、何浪なの?」

俺「い、一浪です…w」

「一浪ならまだいいじゃん、頑張れよ」

 

すると、他のアルバイト達がジジイと俺の会話を機にぽつぽつと話し始める。

「大学生ですか?」「はい」「どこ大?」「日大芸術学部です」「亜細亜大学です…」「まぁいいじゃん、俺は一橋」

 

 

この刹那の時間、貴方は耐えられるだろうか?

もう本当に最低最悪メンタルだった。

俺はクソ浪人で、他のアルバイト達は優秀な大学生達だったのである。

そいつらのまとめ役が俺って…コンプレックスが爆発しそうだった。

 

その後、飲み物を自販機に買いに行くことになり、誰から買う?ということになり、日大芸術学部君が、「あっじゃあお先どうぞw」とニヤニヤしながら俺に勧めてきた時、心が崩壊した。

 

 

 

 

 

 

翌日。アルバイト2日目。ボロボロメンタル、肉体労働によるボロボロボディで今度は三十人ほどのバイト達の点呼をし、会場に出発した。

会場に向かって歩いている途中、横に来て俺に話しかけてきた人がいた。珍しい人もいたものである。

それで、ついつい俺は昨日の出来事を話してしまった。「俺だけ浪人で劣等感がヤバかったんですよ…」みたいな。

そのときである。話しかけてくれた人は一言。

 

「劣等感を楽しめ」

 

と。

 

劣等感を感じている今だからしか体験できないこと、アイデアがある…そんな感じのことを言ってくれた。

 

話しかけてくれた人は、アラサーで、大学卒業後、正社員になるも、辞めて、色々なことを経験してみたいということで、今回のイベントアルバイトに参加したようである。

 

 

劣等感を感じているからこそ…ニート、引きこもり…にしかできない体験、考えがあると思う。

ストレスが溜まって親に怒鳴ったり、動かなさすぎて深夜にランニングするようになったり、ずっと家にいるので疲労感を感じず眠れなかったり、慢性的なコメカミピクピクに悩まされたり、体重が1年で15kg増えたり、一人で動物園行ったり、サイゼリヤが好きでサイゼに行きまくって、ニートだと思われたくないから、たまにスーツ着てサイゼ行ったり、ポーカーで金を稼ごうと、オンラインポーカーを始めたり。

 

 

そういうヘンテコなことをしてきても、俺のようにビルメン程度ならなれる。


ニート、引きこもりの人は、将来に対して大きな不安感があると思う。

でも、就職したり、夢が叶ってしまえば、そんなもの吹っ飛ぶのである。

だから、「なんとかなる」と根底で思っていると、少しは楽になるはず。

 

だからよ…劣等感を持っててもよ…止まるんじゃねぇぞ…